英国 ORE Catapultとの浮体式洋上風力技術開発協業検討の覚書締結について

2025.03.07

技術記事

(写真:日本・武藤経済産業大臣、当組合理事長・寺﨑正勝、ORE Catapult役員・クリスティーナ・ガルシア=ダフィー氏、英国・レイノルズ ビジネス貿易大臣)

 

当組合は英国のOffshore Renewable Energy Catapult(以下、ORE Catapult)と、浮体式洋上風力分野における技術開発協業を検討するための覚書を締結しました。今年末までの期限で、当組合とORE Catapultとは、人材交流や具体的な共同技術開発項目等、浮体式洋上風力分野の開発リスクとコストを削減し産業発展に資するさまざまな事項を幅広く検討するための協力体制構築の可能性を追求します。

 

ORE Catapultは英国における洋上風力、波力、潮力エネルギー技術の開発を促進することを目的として、2013年に設立された研究機関です。世界トップクラスの試験および研究プログラムと独自の卓越した研究施設を通じ、産業界・学術界・政府と協力し、技術の信頼性を向上させて知識を深めることで、洋上再生可能エネルギーの可能性を広げています。ORE Catapultは現在、研究、エンジニアリング、試験・検証の分野において製品とサービスを提供しています。

 

わが国においては、2050 年のカーボンニュートラル社会の実現に向けて、洋上風力発電の主力電源化が期待されています。特に浮体式洋上風力は、領海と排他的経済水域(EEZ)を合わせて世界第6位の広大な水域を有するわが国にとって導入余地が大きいとされています。一方で浮体式洋上風力は、特有の構造から、設計、製造、施工、運用、保守等の面で様々な課題を有し、技術的課題の解決をはじめ、コストとリスクの低減を図ることが早期導入と拡大に不可欠となっています。

 

今回の覚書は、英国と我が国の産業界・学術界・政府とが協力して浮体式洋上風力分野のコストとリスクの低減を技術面で図る、具体的な諸活動を促す基盤作りを目指すものです。ORE Catapultの卓越した実力・実績と、浮体システム全体の最適化技術の確立に向けての当組合による様々な活動を合わせることで、開発リスクとコストの削減を目指すことが出来るものと考えています。

 

本組合は、浮体式洋上風力を国際競争力のあるコスト水準で商用化する技術の確立と早期導入を進め、わが国のカーボンニュートラル社会の実現に引き続き貢献します。